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小説  『重加算税』   ≪ 第3章 売上除外・U ≫
  

−第 22 話 ( 4 9 )−


 第21話 ( 統計 ) にもどる


 今日の松島は調子が良かった。
 パチンコの基礎は 『 統計学 』 である。 統計学を基礎にした確率論である。 胴元のパチンコ店とは勝負しない。 昼間負けた客の上がりを夜に頂けば、確率は相当上がる。
 これさえ解かれば勝ったも同然である。

 日曜日の夜 7時のスタートである。 相当打ち込み確率が上がっている台を狙うのである。

 松島の台は、さっきから確率変動の連続である。 ドル箱の山である。
 すっかり調査のことは忘れている松島である。
 
 偶然とは恐ろしいものである。
 確率変動が終わった時ちょうど 9時であった。
 店内には 9時の店内放送が流れた。

 「 いらっしゃいませ ! いらっしゃいませ ! 本日は数ある遊技場の中から、 『 CCC 』 に御来店いただき有難うございます。 可愛いあの子は口まかせ、パチンコは腕まかせ。 でます出します。 1番台 『 新海物語 』 から、 『 宇宙戦艦 ヤマト 』 ・ 『 ウルトラマン 』 ・・・・・ 最終台まで、全台 20台、最終時間まで出しまくります。 」

 今日の松島の勝ちは、 万 2,500 円である。
 松島は上機嫌で帰宅の途についた。
 ついつい帰りの自転車も軽く、鼻歌も出てくる。
 その内松島は、パチンコ店の店員になっていた。

 「 いらっしゃいませ ! いらっしゃいませ ! 本日は数ある遊技場の中から ・・・・・・  全台 20台、最終時間ま ・・・・・・ 」
 「 ・・・・・ 」
 「 ・・・・・ 」

 松島の顔が真顔になった。
 「 全台 20台 ・・・・・ 」
 「 20 ????? 」
 「 20 !!!!! 」
 「 これだ !!!!! 」


 次の日、松島は毛利を呼んだ。
 「 毛利、 『 CCC 』 のパチンコ台数は何台だった。 初日に把握していただろう ? 」
 「 315 台です。 」
 「 315 台 ? 」
 「 なんで ? 315台だ ? 」
 「 だって、最終台の番号が 315 でした ・・・・・ 」

 「 もう一度、台の数を数えて来い。 」

 毛利は渋々出かけて行った。
 「 315 番に間違いないのに ・・・・・ ちゃんと台の番号は見ているのに ・・・・・ 」
 ブツブツ言いながら、毛利は 『 CCC 』 に到着し、客の振りをして台を数えた。

 「 1番台 、 2番台 、 3番 、 5番 ・・・・・ あれ ? 番が無い ! 」
 「 6番 、 7番 、 8番 、 10番 ・・・・・ 番も無い ! 」
 「 31番 、 32番 ・・・・・ 37番 、 38番 、 50番 ・・・・・ あれ ? まぁ ! 0番代は 1台も無い ! 」
 「 81番 、 82番 ・・・・・ 87番 、 88番 、 100番 ・・・・・ 0番代も無い ! 」

 「 そうか ! が付く数字の台番はないのか ・・・・・ 」
 「 これは、 1台ずつ数えるしかないな ! 」
 「 1 ・ 2 ・ 3 ・ ・・・・・ 200 ・ 201 ・ 202 ・ 203 ・ 20 ・・・・・ 20台だ ! 」


 署に帰った毛利は、松島に報告した。
 「 台は 20台です ! 」
 「 そうか ! やはり 20台か ! 」
 
 「 解ったぞ ! 」
 「 コンピューターに、 『 アウトプットの段階で、サンドイッチの売上を 1,000 円引いて印字せよ。 』 とプログラム変更しているのだ。 」

 「 へぇ 〜 、知らなかったなぁ ・・・・・ 店内で可愛いお姉ちゃんが、コーヒーを売っているのは知っていたが ・・・・・ 『 サンドイッチ 』 も売っていたんですか ? サンドイッチは私と一緒でいい男の 『 ハムサンド 』 ? パチンコに勝つで 『 カツサンド 』 ですかねぇ ? 」

 「 ・・・・・ 毛利 ・・・・・ 」

 「 『 サンドイッチ 』 とは、台と台の間にある玉貸し機のことだ。 」
 「 昔は入り口付近に玉貸し機があって、そこで玉を買って、台まで行って遊んでいたが、 25年位前から、台と台の間に現金を入れる機器を設置して、直接現金を入れれば台に玉が流れてくる方法になったのだ。 この機器が台と台に挟まれているから、 『 サンドイッチ 』 というのだ。 」

 「 当初は、 100円玉を入れていたが、その後 500円玉となり 1,000円札となった。 現在は、 1,000円札から 10,000円札まで使えて、カード形式になっているが ・・・・・ 」

 小川が横から口を出した。
 「 20台で 1台当たり 1,000円抜けば、 1日 20,000円の売上除外か ! 確かに 2種類の売上レシートの差額に一致する ・・・・・ 」
 「 しかし、内偵調査で把握した売上レシートの中に 203,000円の差額のものがあったが ・・・・・ これはどう説明する、松島。 」

 「 ・・・・・ 」

 毛利が答えた。
 「 今日は 20台のう内 203台だけ抜け ! とプログラム変更したのでは ? 」

 「 それはない ! 」
 「 そのように毎日プログラムを触れるなら、何も 20,000円にしなくても、 200,000円ちょうどにするだろう。 」
 「 やはり、 『 1台 1,000円抜いて印字せよ。 』 だ ! 」
 「 しかし、それでは 203,000円が説明できない。」

 「 ・・・・・ 」

 松島のパチンコ経験が閃いた。
 「 いや、説明できる。  その日は台が 1台故障か何かで、 『 調整台 』 として動いていなかったのだ。 故障台のサンドイッチには、誰もお金を入れない。 売上の無いサンドイッチに、 『 1,000円引いて印字せよ。 』 と言っても、 0 は 0 だ。 」

 パチンコ店に行くと、結構 『 調整台 』 の張り紙がしてある台を見かけるものである。

 松島は、このたった 1枚の 203,000円の売上レシートが、決定的な証拠になる予感がした。



      第23話 ( 村田 ) につづく




* 登場する人物、団体等の名称及び業界用語は架空のものです。