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小説  『重加算税』   ≪ 第3章 売上除外・U ≫
  

−第 23 話 ( 村 田 )−


 第22話 ( 49 ) にもどる


 次の日、松島は毛利を連れて開店直後の 『 CCC 』 に行った。
 松島は、開店と同時に毛利に指示して、特定の台に現金を投入させた。

 一方松島は、店長を連れてコントロール室に入った。
 「 店長、今現在の台ごとの売上一覧テープをアウトプットしてください。 」
 「 えぇ ? 今開店したばかりですよ。 」
 「 いいから、お願いします。 」
 「 はぁ ・・・・・ はい。 」

 松島の推測が正しければ、毛利が現金を入れた台の金額が 1,000円少なく印字されるはずである。
 携帯電話で毛利に指示をしながら、松島は息を呑んで店長にアウトプットさせた。

 「 松島さん、 205番台に 3,000円、 206番台に 2,000円、 207番台に 3,000円です。 それから、 208番台の男性客が 2,000円入れたのを確認しています。 」
 「 分かった。 」

 松島は、店長が印字する売上テープに目を凝らした。
 テープには次々と台の番号と売上金額が印字されてきたが、 1番台から印字されるため、なかなか 200番代にならず、イライラしてきた。
 「 くそ、毛利の奴、若い番号の台を選んでお金を入れろ ・・・・・ 」

 松島の心臓が高鳴り始めた。
 187番 ・・・・ 188番 ・・・・ 200番 ・・・・ 201番 1,000円 ・・・・ 202番 0円 まだ客なし ・・・・ 203番 0円 ・・・・ 205番 3,000円 ・・・・ 206番 2,000円 ・・・・ 207番 3,000円 ・・・・ 208番 2,000円 ・・・・・

 「 おかしい ・・・・・ 」
 横で見ていた店長は、すでに松島の意図を読んでいた。

 ・・・・・ ここまで税務署は気が付いたか ・・・・・

 店長は、自分からは懺悔できなかったが、心の底では松島に共感し、応援したいという不思議な感覚に囚われていた。

 「 毛利、もういいから奥の事務所に来い。 」

 その時、毛利が叫んだ!
 「 松島さん 〜 大変です ! 」
 「 何んだ ???? 」
 「 大変です。すぐ来てください。 」

 ・・・・・ 毛利が何か大変な発見をした。 ついにあのオトボケ毛利が脱税を見つけたか ? ・・・・・
 松島は、大急ぎで店内に走った。
 慌てて毛利の所に行く。

 「 どうした ! 毛利。 」
 「 まぁ松島さん ! 大変です。 最初の回転でフィーバーしてしまいました ・・・・・ 」
 「 ・・・・・ 」

 いつもなら 「 俺に貸せ ! 」 と言う松島であったが、今はその気分ではない。 先ほどのアウトプット金額の方がショックである。
 「 誰がパチンコしろと言った。 お金を入れろと言っただけだ。 職務中にパチンコをしてどうする。 」
 「 でも ・・・・・ お金を入れて玉だけ出しても ・・・・・ それも、 3台も ・・・・・ 営業妨害ですよ ・・・・・ 」
 言い訳をしながら、それでも毛利の手はパチンコを続けていた。

 松島は、毛利を無視して事務所に消えた。
 「 店長、さっき出していただいたアウトプットテープをいただけますか ? 」
 「 えぇ ・・ いいですよ。 」

 じっ〜とテープに見入る松島であった。
 ・・・・・ 各台の金額が動かないとしたら、合計金額だけ減らして印字しているのか ? ・・・・・
 松島は、わざわざ台ごとの売上金額を計算機で足してみたが、合計は正しかった。

 ・・・・・ そうか。 正しい金額も印字する必要があるから・・・・・切り替えスイッチがあるか ・・・・・ 操作方法があるか ・・・・ だ !
 「 店長、コンピューターのマニュアルを出してください。 」
 「 マニュアルですか ? 」

 店長は、ロッカーの中から分厚いマニュアルを出してきた。
 松島は、その厚みを見ただけでぞ〜としたが、顔には出さなかった。

 まず、機械のスイッチ関係の位置と操作を確認した。
 例の 『 割り数チェッカー 』 は見つかったが、それ以上は発見できなかった。
 次に、操作編に注目し、キー操作による切り替えを探したが、どうしても見つけることはできなかった。

 店長の村田は、今、事務所には松島と 自分しか居ないことを確認して、神妙な顔で静かに語りかけた。
 「 松島さん ・・・・・ 今は無駄だと思いますよ ・・・・・ 」
 「 店長、どういうことですか ? 」
 「 松島さん、私にも家族がいます。 2人目の子供が生まれたばかりです。 女房は出産したばかりでまだパートには出られません ・・・・ 」

 「 ・・・・・ 」
 「 ノートのことですか ? 」
 「 ・・・・・ 」
 「 ・・・・・ 」
 
 松島は、ノートを根拠として社長を攻めざるを得ないかどうか ・・・・・ 心の中でず〜と葛藤していたのであった。
 常に、店長村田の受ける処分を考えていたのである。
 松島は、今の段階でノートのことをどのような形で会社に暴露し、追及するか村田には言えなかった。
 心では、 「 ノートのことは黙っていてやるから、知っていること喋れ。 」 と言いたいが、今の段階ではノートのことを社長に言わないとも約束できない。

 「 松島さん ・・・・・ これ以上コンピューターを操作しても、今は無駄ですよ。 」
 村田の言い方は、反発する言い方ではなく、物静かに松島に何かを伝えようとするものであった。
 その言葉の意味を松島は、敏感に感じ取った。

 「 村田さん、今は ? 無駄ですか ? ・・・・・ 以前は何かあったが ・・・・・ ? 」
 松島は 『 店長 』 と言わず、 『 村田さん 』 と言葉を変えた。

 「 ・・・・・ 」
 「 以前、最期の 『 エンターキー 』 の変わりに 『 タブキー 』 を押すと、違った金額を打ち出すことがあったそうですよ ・・・・・ 」
 「 そうですか ・・・・・ 」

 「 以前の話ですが ・・・・・ 」
 「 以前の話ですか ・・・・・ 」
 それ以上質問をしない松島であった。

 そこに毛利が入ってきた。
 手には景品を一杯持っていた。
 「 いやぁ 〜、 勝っちゃいました。 」



  第23話 ( 題名未定 )につづく・・・・・少しでも早い掲載に努力



* 登場する人物、団体等の名称及び業界用語は架空のものです。